なぜ私のクラブだけ役所と関係構築できないのか?
なぜ他所の地域では、総合型クラブがまちづくりに参加しているのに、私の町ではうまくいかないのだろうか?
そんなお悩みを相談をよく受けます。
私に相談にくるクラブさんの8割は、同じ理由で上手く行っていませんでした。
その理由とは【担当課まちがいです。】
総合型地域スポーツクラブを設立する際は、市町村の社会体育を担当している課になります。社会体育課とか社会教育課、市民スポーツ課などなど名称は市町村によって様々なです。
主に教育委員会と連携しています。
理由は、総合型地域スポーツクラブが文部科学省の管轄だったからです。
小中学校での体育や、部活動、少年団、などなどと紐づいています。
その為、中学校区に1つのクラブをつくる!と言うような変なエリア目標になっていました。
もちろんしっかりと国には国の意図があり・・・
- 教員の時間外労働問題
- 学校施設の有効利用及び地域開放
- 国民全体のスポーツ参加に学校が巻き込みやすい
- スポーツの学校から地域移行(諸外国ではスポーツは学校ではなく地域クラブのもの)
などなどこれらを行うには、当初好都合だったと思います。
またこれらを全国展開する財源も、スポーツ振興くじtotoという文科省の財源ですので、縦割り行政の中で活動をするとこの様になるのも致し方ありません。
しかし、この流れもかなり変わってきました。
この様な縦割り行政に横ぐしをさす形でスポーツ庁が誕生したのです。
新たな組織形態に市町村は対応していない
東京オリンピックの運営でもそうですが、スポーツは教育や健康だけじゃなく、経済をはじめとした様々な分野に影響を及ぼします。
その為、スポーツ庁には経産省・農水省・総務省などなど、様々な省庁から人が集まっています。
そして彼らは、スポーツの魅力や効果を活用して、様々な地域課題・国内の問題解決に活用しようと考えたのです。
あなたのクラブを取り合ってくれない理由はこのあたりにあります。
クラブの設立は社会体育の担当課で良かったのですが、
- スポーツ×健康・福祉→福祉課
- スポーツ×観光→産業振興課
- スポーツ×移住定住→まちづくり課
と言うように、クラブが行う事業それぞれによって担当課が違うのです。
しかし、「総合型地域スポーツクラブ」と聞くと、社会教育課などにまわされます。
「スポーツの事業をするんだよね?」って感じです。
これは平成までの考え方です(笑)
行う行為で担当を決めるやり方です。
もちろん行政は、民間企業の様に、結果・成果に必ずしも執着する訳ではないので、それも仕方ありません。
しかし令和では、予測する成果や結果から逆算して、担当を決める又は双方協力をして行うのです。まさにスポーツ庁の様な横ぐしをさしたプロジェクトチームをつくるのです。
私がスポーツコミッションを設立する際に行った手法です。
「スポーツ産業検討委員会」という組織に対して、まちづくり課・産業振興課・社会体育課・福祉課・財政課という、各担当課の皆様にもご出席頂きました。
周に1回や月に1回も集まる様なものではありません。実際には年に3~4回だけの会です。
しかし、この様にそれぞれの課にこの様な影響があるという事をご理解頂く必要があったという事です。
私共の場合は、加えて地域の体育協会・観光協会・道の駅・クラブなど、民間団体にもご参加頂きました。
結論
話が長くなってしまいましたが、相手にされない理由の一番は、あなたが問題を投げかける相手が違うという事です。
スポーツクラブと聞くと、どうしても社会体育の担当課になってしまいますが、彼らはスポーツを実施すること(国のスポーツ実施目標などもあり)が目的なので、その実施する意義や結果・成果までは視野に入れていません。
しかし、スポーツ庁が横ぐしをさす組織を作ったように、スポーツは実施するだけでなく、前後の消費活動や社会的意義も様々です。
例えば、高齢者を週に1回避難所で体操教室を開催すれば、それは高齢者はスポーツをしにきていますが、こちらの狙いとしては、避難訓練です。
避難ルートを日々活用させることで、緊急時に避難する体力も尽きますし、避難所を活用する同年代の皆さんと顔を合わせる事で、実際に避難した際のストレスを和らげる効果も期待できます。
私共の様に、セミプロクラブを移設させることで、移住対策にもなりますし、若い労働者確保にもつながります。
この様に、スポーツというワードだけで、担当課を決めてはいけないのです。
そしてあなた自身が、どんな問題解決をするためにスポーツを利用するのか?を明確に持っていなければなりません。
あなた自身が単純にスポーツ活動をしたい!というのであれば、役所が相手にしないのも当然です。
あなたがしたい事は、あなたが自由にやってください!ということですし、それを一つずつ聞いていたら、地域住民すべてのスポーツ活動のお世話をしなければならなくなるからです。
そうではなく、地域が抱える問題にスポーツでお手伝いできますよ!というスタンスでなければなりません。
課題・問題に対してアクションを起こしたいのは、悪魔でも役所で、我々はスポーツで協力をする側です。
わかりやすく言うと、町のお医者さんです。
手術の代わりにスポーツをするのです。
「突然あなたの内臓腐ってるので手術させてください!」
なんて言う医者はいませんよね?(笑)
役所の皆さんも不調には気付いているのです。
それを診察して明確に気付かせ、解決するためにはこんなやり方がありますよ?
と提案してあげるのです。
役所が相手をしてくれないのは、あなたが押し売りをしているのが原因です。
私の所には、多くの役所からも診察に来られます。
彼らの多くは、まさかスポーツで解決できるなんて思ってもいません。
もちろんスポーツでなんでも治せる!という訳ではありませんが、病気も日々の生活習慣からです。
その習慣を改善するお役には必ず立てます。
自信を持ってください!
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しかし、今日お話しした様に、相手からの視点で考えると、簡単に物事が解決する事があります。
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