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なぜ私が総合型クラブを志したのか?

もう総合型クラブは消えてしまうのか?

「総合型地域スポーツクラブはもうダメだ。」「総合型は終わった・・・」関係者の中にはそんな事を言う人がいる。

総合型クラブを推進・支援していたはずの団体でも、「地域クラブ」や「スポーツクラブ」と言う呼称へ変更し、「総合型地域スポーツクラブ」と言う名前は、あまり使われなくなってしまった。

正直、私に言わせてもらえばチャンチャラおかしい。

そんな事を言っているのは、下記の様な人達だ。

  • 文科省が、総合型スポーツクラブを推進していた時に力を発揮できず、その地位を確立できなかった人達
  • totoの助成金欲しさに群がってきて、食い潰した連中。
  • クラブを自立・自主運営できず消えて行った人達。

中には、「これからはスポーツコミッションだ」とまた新たな組織を作り補助金を狙い出したものもいた。

とりあえず、スポーツが付く助成金・補助金を食い潰したい連中である。

私も地域スポーツコミッションを設立したが、それは母体となるクラブを持っていたからである。

総合型地域スポーツクラブは、地域の中で行うスポーツ活動であり、スポーツコミッションは、地域資源プラススポーツで、外から人を地域に連れてくる活動である。

つまり、インナーとアウターと言うスポーツにおける地域課題解決の両輪なのである。

それを、片方は放り投げて、片方だけ作ると言うのは、そもそも意味合いを理解していないと言うのと、単純に補助金・助成金を狙った動きなのである。

この様な「スポーツ助成金ハイエナ」どもが言う「総合型は終わった・・・」と言う意味は、「総合型の狩場に、もう食えるエサ(助成金)はない。」と言う意味なのだ。

私としては、この様な人達が「終わった」と立ち去ってくれるのは、本当に大歓迎なのである。

私のメルマガ読者の方からも、「タスクさんはどう思いますか?」と言う質問が来るが、もちろん総合型クラブが終わる訳がない。

私のところには、これから総合型クラブを作りたいと言う人が多く尋ねてくるし、今後の部活動地域移行の解決策も、今回お話しする総合型クラブ(既存の体制ではない)がになっていくと考えている。

今日はそんな想いについてお話ししたい。

スポーツの力を感じたキッカケ

私は、15歳高校1年生の夏休み期間に、ブラジルのサンパウロに短期留学させて頂いた。沖縄は、ブラジルに多くの移民を送り出した歴史があり、その移民した県人会との関係から、県内の何名かの選手を毎年短期留学させていたのだ。

もちろんサッカーをしに行ったので、サンパウロFCやパルメイラスと言う世界トップの強豪クラブの同年代選手達と対戦もした。

そのサッカーの実力差も大きく感じたが、それ以上に彼らがこれだけサッカーやスポーツに熱狂する環境に、15歳の私は感動してしまったのだ。

私は、Jリーグクラブで集客も経験したが、まだスポーツ観戦の文化が根付いていない地域では、音楽や食と言うスポーツとは別の魅力の力を借りながら、集客する事が多くあった。

しかしブラジルでは、3時間も前から、ひたすら応援するクラブの応援歌を歌い、対戦相手のサポーターとずっと応援合戦をしていたのだ。

アメリカスポーツの様に、歌手が歌ったり、チアが踊ることもなく、サッカーを目的に何万人もの人達が訪れていた。

もちろんそれは試合前だけではなく、試合終了後も応援歌は続き、信号が変わる度に、サッカーW杯の時の渋谷の交差点の様に、大勢の人が入り乱れていたのである。

私が見たのは、何か特別な試合ではない。リーグ戦の1つの試合にすぎないのである。地元の人に聞くと、ブラジルではサッカーの試合中は犯罪がなくなる!泥棒もサッカーを見ているからだ!と言う、冗談なのか本当なのかわからない様な話がある位、人々はサッカーに夢中なのだ。

15歳のタスク少年は、「俺もこんな街に住みたい!」と憧れを抱いてしまったのである。

なぜ地域の活性化のために活動しているのに応援されないのか?

その後私は大学へ進学し、在学中にJリーグクラブの立ち上げに関わらせて頂いた。私は、15歳の時にブラジルの盛り上がりを見ていたので、ブラジルの様なまちづくりに貢献できるとワクワクしながら活動していた。

しかし、現実はそんなに甘いものではなかった。

私は選手でもなんでもない。クラブのスタッフとして、地域にプロサッカークラブができれば、地域はもっともっと元気になる!それが地域への貢献だと信じて活動を行なっていた。

しかし、サッカークラブで地域を盛り上げたいと言う思いは独りよがりだったのだ。

応援されないどころか、嫌がらせを受けたり、お金を投げ付けられて帰れと言われた事もあった。

なぜ地域の活性化のために活動しているのに応援されないのか?当時の私は不思議で仕方なかった。

大学を卒業後、大学のゼミの担任であった教授に、そんな悩みを打ち明けた事があった。すると「宮城君、だったらその効果を数字で証明できる様にしないといけないよ!」と言われたのだ。

更に、「もう一度大学院で学んでみてはどうか?」と言われたのだ。

それがキッカケで、私は大学卒業から3年後、「地域経済の研究」の為に、大学院を受験した。

「スポーツビジネス」や「スポーツマネジメント」、「スポーツマーケティング」と言う様な、スポーツ側から見た視点ではなく、私は「本当に地域経済にスポーツは必要なのか?」と言う反スポーツの視点で地域経済を研究したかったのである。

学部時代も、経済学科ではあったが、大学院では教授達の研究をお手伝いさせて頂きながら、県の経済政策や過去の歴史研究の基礎を学ばせて頂いた。

その基礎を学ぶ中で、日本ではない比較対象を見つけて研究をしたかった。先進国や日本と同様の経済規模、教育基盤のある地域ではなく、一見貧しそうな国と比較をしてみたかった。

そこで、15歳の時に訪れたブラジルへもう一度行くことにした。実に10年の月日が経っていた。また丁度その年は、日本移民がブラジルサントスの港についてから、100周年という記念すべき年でもあった。

スポーツ先進国ブラジル

先ほど書いた様に、私はブラジルは発展途上国だと思っていた。もちろんそう言った部分もまだあるのかも知れない。サッカーをしていた私は、ブラジル人は路上で裸足でサッカーをしていると思っていた笑

しかし、改めて訪れたブラジルは、日本なんかより数段スポーツ先進国であった。

子供からシニア層まで、幅広い人達がスポーツを楽しめる環境があった。そこで出会ったのが、本場の総合型スポーツクラブなのである。

サッカーで有名なサンパウロFCなんかも、実は総合型スポーツクラブで、バスケットボールや陸上その他何十種類ものスポーツができるクラブハウスを持っていた。

また、プロサッカークラブは、アカデミーという子供達を育成する部署で、100名の子供達を育成するのに、300名のスタッフが働いており、サッカーコート17面、二人一組の部屋にはクーラーもついて、最新型のパソコンも完備され、寮の敷地内にレストランや理容室、病院に歯医者に映画館に学校など、一つの町の様になんでも揃っていたのである。

しかもこれらは、すべてクラブとクラブのスポンサーが費用を賄っているというのだ。

貧しい生活をしている子供達も多いが、スポーツが得意ということで、お金がなくても、スポーツだけじゃなく、勉強など教育も一流の環境で学べるのである。そりゃ子供達も目の色変えてスポーツ頑張るなと、ブラジルの総合型スポーツクラブの偉大さを痛感した。

更に、当時ブラジルでは部活動どころか、学校の授業に体育もないと言っていた。スポーツは、地域でするものという線べきが明確にあったのである。

地域の総合型クラブでスポーツは行うため、日本の部活の様に引退なんて事もないし、上手な選手は、ドンドン上のカテゴリーの選手と練習ができ、楽しみたい人たちも、同じ目的の仲間同士、心からスポーツを楽しんでいた。

また学校内で活動をしないため、運動施設内にBBQ場やカフェもあり、食事をしたりお酒を飲んだりもできる様になっているのだ。

総合型スポーツクラブは終わらない。

どうだろうか?あなたもブラジルの総合型スポーツクラブを見に行きたくなったのではないだろうか?

そうそう、私の大学院での研究だが、やはりまちづくりにおいて、スポーツやスポーツクラブが大きな役割を担うという事を発表させて頂いた。

「いやいやタスクさん、それはスポーツを贔屓していないか?」という意見もあるだろう。もちろんそれもあると認めよう。

しかし、プロスポーツの興行だけでも経済効果や地域への波及効果もかなり期待でき、地域のコミュニティ形成や地域アイデンティティの醸成などの社会的効果においても、大きな役割を発揮しているし、あなたもそれはテレビなどで目にしている事だと思う。

まちづくりの主役は人である。その人々の気持ちを高揚させる効果がスポーツにはある。

総合型スポーツクラブは、100年以上の歴史があり、今もなお地域のインフラとして活用されている。

学校部活動の問題も、日本とは違う仕組みの国を参考にビジョンを描く事が必要なのかも知れない。

この様に、海外ではスポーツは心から楽しまれている。日本の授業や部活動の様な視点はないので、子供からシニア層まで、一生楽しみ続けるものであり、これが何十年も続いてきているのである。

更に、日本の様な経済規模ではないにも関わらず、これらスポーツ活動が発展を遂げ、オリンピックの様々な競技でも好成績を収めているというのは、参考にするには十分な理由ではないだろうか?

世界では、これからもまだまだ総合型スポーツクラブは発展していく。

私は、日本でも今後この様な情報が入ってくる事で、益々クラブが増え、地域が活性化されていくと思っている。また部活動地域移行問題は、この流れに拍車をかけると思っている。

どうだろうか?これでもあなたは、総合型スポーツクラブは終わったと言えるのだろうか?私はこのブラジルで感動した総合型スポーツクラブを日本でも広げて行きたいと考えている。

文科省が推奨した既存の総合型クラブではなく、海外で100年以上の歴史がある、地域も行政も民間企業も、みんなが参加する総合型スポーツクラブを育成し、自立経営できる組織に育てて行きたい。そしてクラブが自走することで、スポーツにおける地域課題解決システムを完成させていきたい。

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